新聞より抜粋「合掌の姿」

祈りを捧げる時、人は両手を合わせて合掌します。その姿は宗教や宗派を超えて祈る姿の美しさを内面から醸し出して、信仰の薄い私ですら感銘を受ける時があります。両手を合わせる合掌は、どんなところからきているのでしょうか。このお盆の季節に先祖の墓参りに行って自然に手を合わせる行為に、何故このようなことをするのか疑問をもったのは私だけでしょうか。今朝、自宅に配達されていた朝日新聞の小欄に、偶然目に留まった箇所があり、合掌のもとになったであろう一文がありました。それは「折々のことば」欄で、筆者は鷲田清一氏です。宗教学者山折哲雄氏の一文を取上げて解説した箇所が、私の心に引っかかりました。短いので全文掲載させていただきます。「永平寺で坐禅の手ほどきを受けた宗教学者は、雲水たちが沢庵をかじるときも汁をすするときも一切音を立てないのに驚く。それはすぐに見習えたが、食器をお膳に戻すときにどうしてもカタッと音がする。見れば雲水は食器にいつも両手を添えていた。そして、何かを両手で大切にいただくその作法が合掌の姿に結晶したのではないかと思い到る。」この小論の中で、何かを両手で大切にいただくその作法云々、という箇所が私の気持ちにストンと落ちました。相手に両手を添えて書類を渡す、相手から何かを受け取るときは両手を差し出す、それは職場でよくある行為で、人を敬う無言のコミニュケーションなのかもしれません。合掌に到る行為は何も信仰だけではなく、人間関係の中でも通用すると考えます。寧ろこんなちょっとした気遣いが職場環境を円滑にするとも考えられます。

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