落款印の彫りが完成

私は新作を始めるとその新作につける新しい印を彫ります。美術館や画廊でよく見かける書や絵画に押してある落款を自作しているのです。現在まで作った全ての作品にそれぞれ異なった印があります。印は陶彫に直接捺印できないので、小さな和紙に印を押します。印の上から番号を書き込み、それを陶彫部品ひとつずつの見えない部分に貼っていきます。番号をつける理由として、私の作品は部品が集まってカタチを形成する集合彫刻のため、組み合わせが分かるように順番に番号をつけているのです。それと同時に部品同士が混ざらないように印をそれぞれの作品で変えているのです。印には落款としての作者を明示する役割と、組み立てに必要な順番を示す役割があります。今回も「発掘~座景~」と「発掘~宙景~」の2つの作品に新しいデザインの印を彫りました。NOTE(ブログ)に幾度となく書いていますが、私の印は抽象絵画のような構成で、文字もよく印に使われる篆字ではありません。アルファベットあり、独自に変形した漢字ありで、何にも囚われず自由気儘にやっています。小品である「陶紋」は旧作から通し番号をつけているため、印も統一しています。今日、2つの落款印が完成し、和紙に押印しました。私が創作した落款印は、かなりの数になりました。この印だけで展覧会が出来そうです。ただ残念なことに、どの作品にどの印をつけたかファイルしていないのです。確かめるのには一つずつ梱包を解かないと分かりません。印は工房の棚にある木箱に並べて入れてあります。退職して時間が出来たら、これを整理したいと考えています。

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