週末 陶土の再生

今日は職場に用事があって、ちょっと顔を出さなければならず、工房に一日中篭ることが出来ませんでした。限りある時間でやった作業は土練りでした。前に作っていた陶彫部品で、成形や彫り込み加飾が終わり、乾燥を待っていた作品が、乾燥が進む度に罅割れてきて補修が不可能になりました。焼成前だったので、これを砕いて細かくし、幾度となく水を打ちました。砕いた陶土を3つに分けてビニールで包んでいたところ、ちょうどよい柔らかさになったので、新しい陶土と一緒に土錬機に入れました。私の使う陶土は単身ではありません。分量を決めて種類の異なる陶土を混ぜ合わせます。そこに再生をした陶土も混ぜ合わせたのでした。土錬機では3回繰り返して全体の練り具合を調整します。最後は手で粗練りから菊練りまでやることを一つの工程として行います。手で陶土の具合を確かめるのは、私の習慣になっていて、陶土の中の空気を抜く役割もあります。陶土の再生は手間がかかる作業です。これは創作行為ではありませんが、陶彫で作品を作る以上は避けて通れない重要な作業なのです。陶彫は陶芸とは違い、無理なカタチを作るため、乾燥や焼成の収縮時に皹が入ることがよくあります。僅かな皹は焼成が終わった後、修整剤をつかって補強していましたが、最近では珍しいほどの酷い罅割れだったので、久しぶりに陶土の再生を試みたのでした。2度目に成形と彫り込み加飾をした作品は、今のところ皹はなく順調に乾燥が進んでいるようです。やり直しは最小限に止めたいものです。時間的な制約があって苦しい状況になるからです。明日は新たな陶彫部品の成形をやりたいと思っています。

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