「イサムノグチ庭園美術館」再訪
2017年 3月 22日 水曜日
「イサムノグチ庭園美術館」は、私にとって彫刻が置かれている空間の刺戟や、造形の素晴らしさを与えてくれるスピリットに富んだ美術館なのです。イサムノグチは彫刻だけではなく、さまざまな分野に創作活動を展開し、縦横断的な現代美術の礎を作った開拓者でした。私がそこで再認識したのは、やはり石彫が点在する張り詰めた空間です。完成や未完成も含めて点在する野外展示場は、生前イサムノグチがその場を巡りながら作品を彫っていたと言われています。命果てるまで続けられた制作は、自分にとって理想であり、緩やかな形状を描くその場所は「石壁サークル」と名づけられていて、生い茂る樹と土壁の蔵が絶妙な空間を形作っています。蔵は完成された作品が置かれた屋内展示場になっています。有名な「エナジー・ヴォイド」もここにありました。イサムノグチが生活していた「イサム家」にはテーブル彫刻が2点置かれていて、全体を俯瞰できる平面性の強いテーブル彫刻に、前回訪問した際に自分は魅了されてしまい、その影響から逃れられなくなりました。テーブル彫刻を自分も作るようになった要因がここにあるのです。「イサム家」の裏庭には竹林があって、そこにも石彫が2点置かれていました。家内はその空間が気に入ったらしく長い間見つめていました。美術館内の小高い山に登ると海が見えます。この風景をきっとイサムノグチも楽しんでいたはずだと思っています。「イサムノグチ庭園美術館」に、また来られてよかったと熟々思いました。
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Tags: 創作, 彫刻, 散策
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