三連休① 風景彫刻について

三連休の初日です。今日は朝から工房に篭って制作三昧でした。私の職場から2人の職員がデッサンをやりに工房に来ていました。いつも来ている大学院生もいて、今日の工房は賑やかでした。私はテーブル彫刻の上面に展開する陶彫部品を作っていました。これは風景を雛型化・造形化するもので、大きな括りで言えば、真鍮直付けで聖人や猫を作っている池田宗弘先生も同じ風景彫刻をやっていると考えられます。風景彫刻にはカタチの象徴化もあります。遠近法は無視される場合が多く、作り手の心象がサイズを左右します。私の場合は陶彫の個体を点在させますが、個体は抽象形態のため、表現された個々のモノに説明はありません。鑑賞者の想像に任せているのです。陶彫に刻んだ文様が古代の出土品をイメージさせると批評をいただくこともあります。これは彫り込み加飾を施して痕跡を作っているのです。最小の個体で最大の空間を手に入れるために風景彫刻という表現を利用しているわけです。ジオラマを作っているような感覚もあって、全体を俯瞰できる作品は、作っている時が楽しくて仕方ありません。時間があっという間に過ぎていきます。ただし、これが彫刻であることを忘れてはいけないと自分を戒めています。あくまでも形態以外のところに遊び要素を盛り込んでは駄目だと思っています。今日は雨が降ったり止んだりする不安定な天候でしたが、暫し作業に夢中になる瞬間があり、外の状況が眼に入らなくなりました。明日も続行です。

関連する投稿

  • 週末 3点目の陶彫成形 日曜日は毎回美大受験生が2人工房へやってきます。彼女たちのうちの一人は予備校の夜間コースに通っていて、そこで出された課題を工房に持ち込んでくるのです。昼間は高校に通い、夜は予備校、そして週末は工房に […]
  • 週末 陶彫制作を続行 4月に入って初めての日曜日ですが、今日のところは通常通りの制作時間で陶彫制作を続行しました。先月末で二足の草鞋生活を解消した私は、もう少し余裕を持って制作が出来るのですが、習慣というか、現状保持が気 […]
  • 昭和の日 連休の始まり 今日からゴールデンウィークが始まりますが、隣接する東京都に新型コロナウイルス感染が広がり、緊急事態宣言が出されているため、連休中も外出は避けるように各自治体では言っています。私のいる神奈川県でも感染 […]
  • 三連休 20点目の陶彫成形&加飾 三連休の中日です。今日も好天に恵まれて工房周辺の木々が美しく紅葉しています。新作の陶彫制作は20点目に入りました。既に焼成が終わっている陶彫部品も10点あります。午前中は新しい陶彫部品の成形を行い、 […]
  • 週末 再び陶彫制作へ戻る 先月の週末はほとんど厚板材を加工して土台作りに充てていましたが、今月の週末はもう一度陶彫制作をやっていこうと思っています。新作の陶彫部品がまだ足りないことが分かって、昨日は美術館に出かける前に、工房 […]

Comments are closed.