三連休③ 根を張る地下都市
2016年 9月 19日 月曜日
三連休の最終日です。今日は敬老の日で、職場周辺の地域でも「敬老の集い」があって、挨拶をしてきました。こうした中で制作をしていくのは気分的に乗らず、工房を出たり入ったりすることになりました。工房で背の高い柱と天板を眺めていて、これでテーブルを作り、テーブルの下にどのように陶彫部品を接合していこうか、あれこれ考えを巡らせました。テーブルの下に吊り下がる陶彫部品と、床から立ち上がる陶彫部品が途中で繋がるイメージを想定しました。今回の陶彫は有機的なカタチをしています。ちょうど樹木が地下に根を張っている状態をイメージしました。私の作品は人々が消え去った都市を連想させるところがあって遺跡の雰囲気が漂いますが、未来型の都市をイメージさせるところもあります。現在の大都会に建つ高層ビルは、デザインがますます個性的になっていて、無機質な形態ではなく有機的でユニークなビルが増えてきました。私は巨木の前に立つと、その勇壮な景観が未来の建築のように見えてくる時があります。私が作る集合彫刻も、球根や地下根など植物からイメージしている場合が多く、そこに住宅のイメージを絡ませています。今回のテーブル彫刻で私が作ろうとしているのは、巨木の地下根のように地中に広がる都市空間なのです。まだイメージが粗いので、細かい部分はその都度自分で修正していくのでしょうが、地中に逞しく根を張り、増殖を続けていく植物の生命力を建築に利用した構造体を作ろうとしていることは確かです。まずそれにはどこから手をつけたらいいのか、今日は思索ばかりの一日になってしまいました。
関連する投稿
- 週末 梅雨前線の活発化 週末になりました。昨晩から関東地方は豪雨に見舞われていて、夜中に警戒警報が鳴りました。土砂災害に纏わる避難勧告が出されていましたが、私が住んでいる地域は周囲に河川が少ないため、大きな被害にはならなか […]
- 週末 3点目の陶彫成形 日曜日は毎回美大受験生が2人工房へやってきます。彼女たちのうちの一人は予備校の夜間コースに通っていて、そこで出された課題を工房に持ち込んでくるのです。昼間は高校に通い、夜は予備校、そして週末は工房に […]
- 飛躍の6月を振り返る 今日で6月が終わります。今月は7月個展のために図録を作成し、案内状も自宅に届きました。個展に出品する作品の梱包を始めていて、現在は陶彫部品を収納する木箱の製作に追われています。木材を調達しながら木箱 […]
- 昭和の日 連休の始まり 今日からゴールデンウィークが始まりますが、隣接する東京都に新型コロナウイルス感染が広がり、緊急事態宣言が出されているため、連休中も外出は避けるように各自治体では言っています。私のいる神奈川県でも感染 […]
- 「発掘~盤景~」最後の窯入れ 今月30日(日)に迫った図録用の写真撮影日。そこから逆算すると最後の陶彫部品の焼成をやらないと撮影に間に合わなくなります。残った3点の陶彫部品の乾燥具合を確かめて、昨晩窯入れを行いました。計算上では […]
Tags: 制作, 工房, 陶彫
The entry '三連休③ 根を張る地下都市' was posted
on 9月 19th, 2016
and last modified on 9月 19th, 2016 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.