新作の印を考える

陶彫による集合彫刻を発表している私は、それぞれの陶彫部品に印を貼り、そこに番号をつけています。印は新作によって全て異なり、その印によって部品が混じらないようにしているのです。作品によっては100個以上の部品で構成されるため、分解していくつかを一緒に箱詰めして倉庫に収納しています。部品の箱が新旧入り乱れて積んであるため、箱から出した陶彫部品がどの作品の一部なのか判別できるようにする必要があります。その決め手となるのが印です。印は常に新しく制作し、和紙に捺印して陶彫部品の裏側に貼っておきます。木材の台座と接着する場合は、台座と陶彫部品に同じ番号をつけます。印の上から番号を書き込んでおくのが、自分の常套手段になっています。先日台座に砂マチエールを施した「発掘~表層~」ですが、砂を貼っていない場所が10箇所あります。そこに陶彫部品を置く予定にしてあるのです。当然印もその場所に貼っていきます。そろそろ新しく印を彫らなければならない時期にきています。今回はどんな印にしようか、デザインを楽しみながらやっていこうと思っています。印は篆刻が基本ですが、私は自由な発想でデザインをすることにしています。文字を構成要素にした小さな抽象絵画と考えていて、文字か模様かわからなくなるほどデザイン化していきたいと思います。

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