週末 内環成形の難しさ

今日も工房で制作三昧の一日を過ごしました。昨日に続き若いスタッフも来ていました。天候が不安定で雨が降ったりしましたが、気温は暖かく工房室内は快適でした。新作である擂り鉢型の大きな作品に相変わらず挑んでいますが、一番外側の環が出来上がり、現在はひとつ内側の環を作っています。これも円形を20個のブロックに分けて、ひとつずつ部品を作っていますが、一番の見せ場である内環の成形が難しくて手を焼いています。全体は擂り鉢の円形になる構成ですが、ひとつひとつの部品は曲面がなく、全て平面の断片を縦横に構成するような造形的方針を立てています。そこが自分なりに新しくもあり、また難しくしている原因と言えます。陶は曲面が美しいので、自分もそれを最大限利用してきましたが、新作では曲面の美しさに頼ることができません。陶は焼成によって多少歪みが発生します。曲面であれば歪みを誤魔化すことができます。平面は歪みは歪んだままで残ってしまいます。それこそ金属で作った方がいいのではないかと思うところです。今さら悩んでも仕方がないので、陶の別の部分を美しさとして生かすことにしようと決めました。あくまでも平面の断片を組んで陶彫部品に収めていく所存です。それはそれで金属にない美しさが出るはずです。今日は内環部品のひとつをどのくらいの時間で作れるのか試しながら作業を進めました。思ったより時間がかかったので、焦りを覚えました。これを20個作るにはどうしたらよいのか、またまた時間との闘いが始まります。

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