週末 華やぐ工房
2016年 2月 21日 日曜日
今日の題名は特別のことではありません。工房にやってくる若いスタッフが与える心地よい影響のことを言っているのです。この時期、季節は三寒四温で体調を崩しがちになりますが、今日は春めいた快適な一日でした。工房は亡父の残してくれた植木畑に建っています。植木が周辺に多くあるというのは、季節ごとに移ろう花が視界に入ってくるのです。今は梅の花が満開です。工房の窓際には梅の大木が数本あって、窓から見える花々に心救われる思いになります。私は朝最寄の駅に着いた若いスタッフを車で迎えに行きます。車は工房に止めておきますが、家内が胡弓や三味線の練習の時は、私が車で練習所まで送っていくのです。家内が工房にやってきて車に乗ったときに「工房は外も内も華やいでいるね。」と言っていました。外は梅の花、内は若いスタッフ2人がいたからです。若いスタッフは2人とも美しい女性です。一人は中国籍のアーティスト、もう一人はインドネシア留学を終えた大学院生で、それぞれ自分の課題をやりにきているのですが、必要とあれば私の作品を手伝います。事情がわかっている家内は他愛のない一言をかけていたのですが、私はこの2人に実は精神的に助けられていることが多いのです。まだ20代で自己表現が定まらない2人にとって、創作活動は自分との闘いで悶々とした苦しさの中にいます。その自分を追い詰めていく空気感が私にも伝播してくるのです。私も自分の制作でボヤボヤしていられない状況になっていきます。張り詰めた空気が工房を支配し、お互い創作感覚が鋭くなっていくのを感じます。これは大変良い効果です。ただし、工房を去るときは私は疲労困憊してしまいますが、彼女たちは至って元気です。外見的には華やぐ工房ですが、内実は負けん気の集中力が炸裂する世界なのです。
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Tags: 作品, 制作, 創作, 工房
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