「夢の仕事」について

昨年11月から今年1月までの間に「夢の仕事」のまとめをNOTE(ブログ)に掲載していますが、これは「夢解釈」(フロイト著 金関猛訳 中央公論新社)第六章「夢の仕事」をまとめたものです。今回の「夢の仕事」のまとめは「フロイト入門」(中山元著 筑摩選書)の単元をまとめたもので、出所は同じですが、解説書からの引用であることをご理解いただければと思います。「人間の心は意識、前意識、無意識の三つの審級で構成されている。無意識と前意識の間に、第一の検問所が存在する。この検問所は、無意識のうちに潜む欲望を意識にのぼらせることを望んでいる。ここを通過した願望は、前意識の領域に入る。前意識と意識の間にある第二の検問所は、この願望を検閲して、それが意識の領域に受け入れられるように、手直し、歪曲するのである。ここで夢の仕事が行われることになる。」引用した文章は、神経症と同じようにフロイトが図示したものに夢の分析をあて嵌めたものです。フロイトはこのように人間の心には、意識、前意識、無意識の三つの審級があると考えていて、これを第一局所論と呼んでいます。夢の技法の中に「圧縮」があります。顕在的な夢内容は、夢の潜在的な内容に検閲をかけて、それを偽装したものを「圧縮」と呼んでいます。「置き換え」という技法もあって、夢の内容と意味を他のものに置き換えるものです。「表現可能性」という技法もあって、夢見る人は直喩や隠喩の散りばめられた詩人の言葉のような文を、像によって描かれる夢内容に表現しなければならないことを言います。「二次加工」という技法は、夢の顕在的な内容の形式そのものにかかわるのではなく、すでに形成された夢内容にあとから働きかけるという特徴があります。いずれにしてもここに掲げた言葉は、「夢解釈」に出てくる内容で、言葉によっては前にNOTE(ブログ)にアップしたものと重複しているものもあろうかと思いますが、今は「フロイト入門」のまとめとして書かせていただきました。

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