週末 小さな球体作り
2015年 12月 13日 日曜日
今日は朝から工房に行って制作に没頭しました。平面的な新作に設置する10個の球体陶彫のうち、成形は8個完成し、そのうち3個に彫り込み加飾を施しました。球体陶彫は小さいので、彫り込み加飾に手間がかかりました。もともと粗土を使っているので、肌理の細かい彫り込みには向きませんが、小さめの木ベラを使って表面を削ったり、穴を空けたりしました。重宝している小さめの木ベラは、ウィーン国立美術アカデミーの工房で作ったものです。20代の頃、同校でメダルの浮き彫りを習った時に、助手から木材を与えられて手作りしました。他にも手製の道具がありましたが、今も使っているのはこの小さい木ベラだけです。30年以上も使っていることになります。すっかり手に馴染んでいて自分の身体の一部になっています。陶彫は仕上げに使うヘラがとても大切で、私は大小さまざまなヘラを持っています。ほとんどが栃木県益子の明智鉱業で購入したものです。薄い金属ベラで、湿った陶土の表面を撫でると、細かな罅割れが消えて滑らかになります。掻き出しベラは本来陶土を刳りぬくものですが、表面の僅かな凹凸を整えるのに役立ちます。そんな道具を駆使して作業していると時間が経つのを忘れます。彫り込み加飾は立体的興味は薄れますが、平面的な処理を取り込むことで、作品に装飾的な緊張感を齎せます。それは微妙な陰影を利用しながら全体としての立体を強調するものではないかと思っています。今日は装飾的で工芸的な作業に明け暮れた一日になり、肩が懲りました。来週も継続です。
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Tags: ウィーン, 作品, 制作, 工房, 陶土, 陶彫
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