週末 絵画から彫刻への意識変化
2015年 11月 15日 日曜日
先週より2点目の新作に取り組んでいます。2点目の新作は絵画的なイメージからスタートしましたが、作業を進めていくうちに、これは絵画ではなく彫刻的な意識が働いていることに気づきました。若林奮先生が葉山の県立近代美術館に設置した「地表面の耐久性について」という野外彫刻と一脈通じるものがあると考えたのです。一面性しか表面に現れていない彫刻が、まさに自分が作ろうとしている新作なのです。自分のイメージには絵画ほどの自由性がなく、これは立体を真正面から見た状況ではないかと思い至りました。意識の中ではカタチ全体を把握することが出来ず、その奥に隠れた部分があり、それを掘り起こすことはイメージの上では不可能と判断しています。表面に現れた一面だけを造形することが自分に課せられたことで、自分にも測り知れない謎を表層から察していく彫刻作品なのです。そんなことを思い巡らせたら、制作に合点がいって、漸く快く作業を進めることが出来ました。今日は朝から夕方まで、ひたすら厚板に彫り込みを入れることに終始しました。彫り込みはまだ半分しか出来ていません。来週末に持越しです。作者にも全体が掴めない彫刻作品があってもいいのではないかと思っています。その意識が鑑賞者に伝わるかどうかはわかりません。作者の思索は思索のままで据え置かれても仕方がないところがあるし、別の解釈も成り立つのであれば、それでよしとしています。夕方工房を離れるときに窯入れをしました。焼成には3日かかり、その間は工房は使えません。ロフトを施工している業者は来週から来ないので、漸く焼成が出来るようになったのです。
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Tags: 作品, 制作, 工房, 彫刻
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