週末 絵画的新作の第一歩
2015年 11月 8日 日曜日
今日を日記風に綴るなら、朝7時に工房に行き、昨日から始めた2点目の新作の全体構成を厚板に下書きしました。まず第一歩として絵画的なアプローチをすることにしました。2時間やったところで自宅に戻りました。朝食をテレビの前の居間で済ませました。自分は食事中にテレビを見ることはありません。ダイニングにテレビを置いていないのです。今日は特別でした。NHK番組の「日曜美術館」で若林奮先生の彫刻作品を取上げたので、何としても見たかったのでした。懐かしい若林先生がインタビューに答えるシーンが映し出されていました。気難しく眉間に皺のよった神経質そうな顔で、彫刻とは何かをもどかしそうに話しておられました。自分は若林先生に教えを受けたことはありません。同じ大学の構内に居ながら、近づくことが出来なかったのが返すがえすも残念です。奥様も登場していました。自分は大学受験の時に石膏デッサンを奥様に習ったことがあるのです。奥様は具象彫刻の第一人者淀井敏夫氏のお嬢さんだったことは当時から存じ上げていました。若林ワールドがテレビでどう解説されるのか興味津々でした。内容は別の機会に書こうと思います。番組が終了したので工房に戻りました。中国籍の若いスタッフが来ていました。先週から山東省に里帰りをしていた彼女は、今週の木曜日に日本に戻ってきていました。工房のロフト工事を見て驚いていました。良い香りのするジャスミン茶をお土産に頂きました。夕方4時までそれぞれ制作に没頭しました。2人でやっていると社会的促進という心理効果があって制作に弾みがつきます。彼女もその効果を期待しているらしく日曜日が楽しみで仕方ないと言っていました。夕方には制作でクタクタになり、彼女を駅まで車で送りました。自宅に戻ると、演奏に出かけていた家内から連絡が入り、家内を迎えに行きました。いつものような週末の過ごし方でしたが、テレビ放映された若林ワールドのことが印象に残っていました。番組の中にあった「彫刻とは何か」という問いかけは、自分も常に思っていることで、絵画的新作の第一歩を記した今日も、これは表層的には絵画のように見えるけれど、実のところ彫刻としての意識が働いていると感じています。どうしてそう思ったのかは、稿を改めて考えてみたいと思います。若林先生の言葉に、彫刻なるものの捉えの広さや深さを感じ取り、自分も同意することが暫しあります。今日はなかなか充実した週末を過ごしたように思えました。