「夢の素材と夢の源泉」(c)まとめ

「夢解釈」(フロイト著 金関猛訳 中央公論新社)の第五章「夢の素材と夢の源泉」の(c)「身体面の夢の源泉」のまとめをします。昨日に続いてまとめをアップしている理由は、本論を細かい箇所でまとめをしていこうと思っていたところを忘れてしまっていたので、慌てて既読部分を振り返り、改めて留意点を洗い出したところなのです。身体面の夢の源泉としての導入部分を文中から選びました。「身体的な刺激源が夢の形成に対して果たす役割について、科学的文献がどういったことを述べているか~略~『神経刺激』と『肉体的刺激』がすなわち夢の身体面での源泉であるようだ。」という導入部分がありますが、著者はこれだけでは不備があると説いています。例示を挙げて論拠とするところを述べた後、夢内容のための表象素材に話題が及びます。「(表象素材は)二つの夢の源泉、すなわち身体的源泉と心的源泉とを代理するのである。心的な夢の源泉に身体的な素材が付け加わっても、夢の本質は変わらない。現下に活動する素材によってその表現が規定されることがあっても、そのこととはかかわりなく、夢は欲望充足であり続ける。」その後にフロイト自身の夢体験が語られ、次のような文章を導き出しています。「肉体内部からの刺激が夢を生じさせるのに指揮的な役割を果たすことがある。そして、身体面での全体的気分もこの種の刺激となりうることに疑いの余地はない。~略~それは夢の想念に強制を加え、夢内容における描出のために用いられるべき素材の選択に影響を及ぼす。」

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