新しい印を作り始める

陶彫による集合彫刻を作っていると、作品によっては同じような陶彫部品が複数出来上がってしまう場合があります。まして過去の作品と混同することだってあり得ます。この部品はどの作品の一部なのかを明確にするために、新作には新しい目印が必要です。そこで考えたのが小さな和紙に印を押して番号を付記する方法です。印はその作品によって異なるので、部品を取り違えることはありません。木彫された厚板屏風にも陶彫部品と同じ番号を貼り付けておけば、どの位置にどの部品を接合するのか明確になって、自分以外のスタッフがやっても作品が組み立てられるというわけです。そこで新作が出来上がる度に、新しい印を彫っています。今回の作品にも新しい印が必要になり、ようやく印を手がけ始めました。印を作るために印刀や印床を持ち出してきて、いよいよ今晩から始めます。印はこれだけでも立派な作品です。篆刻の厳密なルールを自分は知りませんが、文字をテーマにした小さな抽象絵画だと勝手に思っていて、陰刻陽刻の織り成す迷路のような世界に自分は魅了されるのです。そんな自由気儘な印をこれから作っていこうと思っています。

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