週末 「群塔」下塗り準備

いよいよ「発掘~群塔~」の最終工程である塗装の準備を始めました。大量の油絵の具が必要になるので、早めに購入しておきましたが、実際どのくらいの量が必要になるのか今も見当がつきません。明日、厚板の下塗りは複数のスタッフが手伝ってくれることになっています。全員が美術系の大学の在校生や卒業生で、油画やデザインを学んできた人たちなので、安心しているだけではなく細かな注意も要らないと思っています。下塗りした上にドリッピングを行います。いわゆるアクション・ペインティングで、さまざまな色彩を散らせます。斑点になった画面の上から、さらに時間をおいて霧状に絵の具を散らせて完成に近づけます。これは厚板の色合いと接合する陶彫の焼き締めた色合いを融合するために、油絵の具で工夫を凝らすものです。彫刻された木材全てに色彩を施す作業は、どちらかと言えば絵画的な表現です。絵の具を使って筆で描写をしないだけで、色彩の斑点に抑揚をつけるのはまさに絵画と言えます。私の作品は彫刻的な要素と絵画的な要素が共存する世界で、しかも部品を組み立てる集合彫刻であり、加えてスタッフが複数で協働する手間のかかる作業があります。それでも自分のイメージを具現化したいので、人的支援や施設面での環境をフルに使ってやっているのです。今日は7点の屏風の裏側に木材の補強を行い、さらに防腐剤を塗りました。明日の下塗りに備えて、まず自分一人で出来ることから始めて、仕事の外堀を埋めていきました。明日に期待です。

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