週末 「群塔」下塗り準備
2015年 5月 23日 土曜日
いよいよ「発掘~群塔~」の最終工程である塗装の準備を始めました。大量の油絵の具が必要になるので、早めに購入しておきましたが、実際どのくらいの量が必要になるのか今も見当がつきません。明日、厚板の下塗りは複数のスタッフが手伝ってくれることになっています。全員が美術系の大学の在校生や卒業生で、油画やデザインを学んできた人たちなので、安心しているだけではなく細かな注意も要らないと思っています。下塗りした上にドリッピングを行います。いわゆるアクション・ペインティングで、さまざまな色彩を散らせます。斑点になった画面の上から、さらに時間をおいて霧状に絵の具を散らせて完成に近づけます。これは厚板の色合いと接合する陶彫の焼き締めた色合いを融合するために、油絵の具で工夫を凝らすものです。彫刻された木材全てに色彩を施す作業は、どちらかと言えば絵画的な表現です。絵の具を使って筆で描写をしないだけで、色彩の斑点に抑揚をつけるのはまさに絵画と言えます。私の作品は彫刻的な要素と絵画的な要素が共存する世界で、しかも部品を組み立てる集合彫刻であり、加えてスタッフが複数で協働する手間のかかる作業があります。それでも自分のイメージを具現化したいので、人的支援や施設面での環境をフルに使ってやっているのです。今日は7点の屏風の裏側に木材の補強を行い、さらに防腐剤を塗りました。明日の下塗りに備えて、まず自分一人で出来ることから始めて、仕事の外堀を埋めていきました。明日に期待です。
関連する投稿
- 次なる作品のイメージへ… 現在作っている新作が佳境を迎え、肉体的にも精神的にも苦しい状況の中で、私には次なる作品のイメージが降って湧いてくる癖があるようです。現行の新作は土台に砂マチエールを施し、また同時に土台を追加して制作 […]
- 19’RECORD10月~12月をHPアップ 2019年に制作した最後のRECORD3ヶ月分をホームページにアップしました。2019年は「~の風景」というタイトルでRECORDを制作していました。10月は「分離の風景」、11月は「拡散の風景」、 […]
- 週末 陶彫制作を続行 4月に入って初めての日曜日ですが、今日のところは通常通りの制作時間で陶彫制作を続行しました。先月末で二足の草鞋生活を解消した私は、もう少し余裕を持って制作が出来るのですが、習慣というか、現状保持が気 […]
- 彫刻における台座の意味 「地面が庭園の一部であるのと同じように、床を彫刻の一部である場所、あるいは平面と考えた。~略~ノグチは、日本では地面に据えられた岩は『下にある原始の塊体から突き出す突起を表現している』と言った。庭園 […]
- 「マグマを宿した彫刻家」雑感 昨晩、NHK番組「日曜美術館」で取上げられた故辻晋堂の陶彫について書いてみようと思います。表題にある「マグマを宿した彫刻家」とは、大学時代に辻晋堂に師事した彫刻家外尾悦郎氏が言っていた台詞でした。眼 […]
Tags: イメージ, 彫刻
The entry '週末 「群塔」下塗り準備' was posted
on 5月 23rd, 2015
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.