楽しい「哲学用語図鑑」

仕事の出張中に立ち寄った書店で偶然見つけた「哲学用語図鑑」(プレジデント社)が、自分にとって目から鱗が落ちるくらいの画期的な書籍だったので購入しました。アニメっぽいキャラクターが難解な哲学用語を、簡単なポーズで表しているのが笑えます。たとえばニーチェの永劫回帰では、輪の回りを歩き続けるキャラと、へーゲルの目標に向かって一直線に進むキャラが比較されて、分かり易く楽しいイラストになっています。ハイデガーの現存在や世界内存在も、人間とモノとの相違をイラストで簡単に解説していて、成程こういうものだったのかと妙に納得してしまうのです。哲学は究極となる理論をあらゆる事例を使って証明するもので、語彙の難解さに辟易してしまい、読み解きを途中放棄する場合が少なくありません。自分も例外ではなく、読破に時間がかかり、結局は中途半端のまま書籍を何年も放置することがあります。「哲学用語図鑑」はまず結論ありき、という一目にして了解してしまう図解があります。これでいいのだろうかという疑問もありますが、自分が苦心惨憺の末、読破した大書が、たった1点のイラストで表されている痛快さがあって、自分はこの思い切り楽しい「哲学用語図鑑」を、結構評価しているのです。

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