M・ラングランのガラス扉
2015年 4月 8日 水曜日
旧朝香宮邸はアール・デコ建築の傑作とされています。その邸宅を使って東京都庭園美術館がオープンし、最近リニューアルされたので企画展と合わせて見てきました。仏人装飾美術家アンリ・ラパンが設計を手がけた室内は、アール・デコ様式に彩られ、自分の趣向にあった装飾の数々に目を見張りました。アール・デコ様式との出会いは、自分が20代にウィーンで暮らしていた頃に遡ります。ウィーンにあるO・ワーグナーの建築やウィーン工房の資料等で、その美しさに魅了されてきました。旧朝香宮邸では、とりわけマックス・ラングランのエッチングガラス扉に注目しました。大客室の扉は、幾何学的に構成された花をモチーフにガラスに複雑な加工が施され、磨き面と艶消しの部分が巧妙な表情を見せています。その抽象性とバリエーションが謎解きのような不思議な世界を創り出しています。大食堂の扉は曲線や有機的なパターンを組み合わせ、これも大客室とは違う趣きがあって、アルプのような抽象性が楽しい響き合いを醸し出しています。その部屋にはルネ・ラリックの照明もあって調和の見事さに心を奪われましたが、日本ではラリックほど知られていないラングランの造形に一目置いてもいいと思います。
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Tags: ウィーン, 芸術家
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