「幻想絶佳 アールデコと古典主義」展
2015年 4月 7日 火曜日
今日で終了した展覧会を取り上げて恐縮ですが、先日、東京目黒にある東京都庭園美術館の「幻想絶佳 アールデコと古典主義」展に行ってきました。まず当美術館そのものがアールデコ様式で建てられていて、独特な佇まいが特徴的です。最近リニューアルしたばかりで、装飾美術家アンリ・ラパンによって設計され、ルネ・ラリックやイヴァン=レオン・ブランショによる壁面に眼が奪われました。これはリニューアル前からあったものですが、改めて室内装飾の美しさが際立っていました。アール・デコは幾何学的で図形的な文様や流線型がモダンなスタイルとして、装飾や日用雑貨に及んだものです。さらにアフリカ・アジア・南米や古代エジプトのエキゾティズムと結びついて独特な美観をもつに至りました。古典主義もそうした風潮の中で取り上げられ、具象性の強い作品がアール・デコ=スタイルの中に組み込まれていったようです。プゲオン作「蛇」に見られる寓話的な具象絵画や「パリ14区役所別館祝宴の間 壁画下絵」は人体リアリズムが構成された壁画作品として印象に残りました。抽象性と具象性が装飾美術として並存する楽しさは、アール・デコらしい雰囲気があって自分の趣向に合うのです。ミュージアムショップで今回の展覧会の図録と旧朝香宮邸に関する書籍を購入しました。機会を改めて、こうしたアール・デコ建築に関する自分なりの考察もしてみたいと思っています。
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Tags: 作品, 展覧会, 書籍, 画家
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