異文化に寄り添う心

相原工房には中国籍の若いアーティストが出入りしています。彼女は美大の大学院生ですが、この春からその美大に就職することが決まり、引き続き通い慣れた大学に勤務することになります。彼女はグラフィックデザインを学んでいましたが、アートに関心が強く、今後はアーティストとして創作活動を展開するようです。相原工房に出入りする若い世代の人たちは、ほとんどアーティスト志望で、私と同じ二足の草鞋生活を余儀なくされる人たちですが、その中で異文化で育った彼女は貴重な存在です。自分も20代の頃に海外で暮らしていました。自分にとって言葉の壁も異文化理解も思うように出来なかった記憶がありますが、辛うじて身につけたことが異文化に寄り添う心を持つべきということでした。最近話題になっている人間の尊厳が失われる非情な集団はさておき、生きていく上での価値観の相違や思考から嗜好に至るまで、お互いを理解し受容することが肝要と思っています。他国を知るのに単なる情報機器からではなく、人と人との関係の中から生きた情報として知ることが出来る機会は大切にするべきと考えます。アートには世界共通な美意識があるので、異文化理解には最適な手段かもしれません。

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