天から降るイメージ

新作のイメージはどこからやってくるのでしょうか。かつて見た実風景なのか、それとも映像なのか、ボンヤリしたものが天から降ってくるのが自分にはあります。イメージは消えては現れ、また再現されて自分の脳裏に刻み込まれます。自分はそれをスケッチブックに描き留めたりしません。描き留めるとそのイメージは定着して発展性を失うので、具体的なイメージになるまで放っておくというのが自分の常套手段です。新作のイメージは、現在作っている作品が佳境を迎えて喘ぐようにしている時に決まって降ってきます。現行作品が期限までに完成するかどうかわからない時に、追い打ちをかけるようにやってくるのです。ここ最近になって来年に向けて制作をするであろう新作が脳裏にあります。まだハッキリしませんが、大変手間がかかるものであることは確かです。自分の中で少しずつハードルを上げることを自分に課した使命にしていることがあって、新作のイメージを発展させる所以になっていると言えます。天から降るイメージは自分にとって苦しいものですが、枯渇しない発想は有り難いとも言えます。

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