夜間制作に向かう意志

このところ2週間近く毎晩工房に通っていて、夜間制作が定着しつつあります。夜間制作と言っても1時間半から2時間程度で、昼間の仕事から帰って、夕食前に出かけているので、深夜に及ぶような制作ではありません。ちょっとした作業ばかりで彫り込み加飾が中心です。夜の工房は照明に照らされて、創作の魔性に支配された魅惑的で不思議な空間です。工房に到着すると大型ストーブとラジオをつけます。制作台をストーブのそばに設えて、FMのひとつの番組が終わるまでを制作時間の目安にしています。夕食前なので空腹ですが、実のところ空腹の方が制作が進むのです。週末の制作でも同じです。昼食後は暫し制作が緩慢になるのが不思議でなりません。胃が満足すると創作意欲が衰えるのでしょうか。空腹を抱えながら夜間制作に向かう意志が、造形イメージを確固たるものにする所以ではないかと思うこの頃です。以前のNOTE(ブログ)に「発掘~丘陵~」の陶彫部品を毎晩ひとつずつ作っていると書きましたが、現在12個目になりました。目標の40個まで残り28個です。創作の妖精なのか、それとも悪魔なのか、得体の知れないモノに誘われながら暗い畑道を懐中電灯を灯して毎晩歩くのは、近所から見れば奇妙な行動に映るかもしれません。何の変哲もない箱型の倉庫に毎晩吸い込まれていく自分、同世代の働く人たちはネオンや提灯に誘われて毎晩暖簾に吸い込まれていくのに、自分は常識に当てはまらない世界に遊んでいると思っています。

関連する投稿

  • 週末 新作の全体構成を見る 今日は朝9時から夕方4時まで工房に篭っていました。週末となっても特別なことはなく、私は日々工房に通っているのです。ただ、週末は今までの慣習に従って、新作の制作状況を書こうと思っていて、そこに創作活動 […]
  • 帰宅後の工房通いについて 創作活動を行う上で、公務員との二足の草鞋生活で厳しい面は、何といっても時間確保です。週末だけではイメージ通りの作品が生まれず、作業の時間をどこで確保するのか、常に考えてきました。30年もこんな生活を […]
  • 週末の意識が薄れている週末に… 週末になりました。今月は毎日工房に通っているため、やっと週末になったという意識がありません。週末の意識が薄れている週末とでも言うべきでしょうか。それでも今までの慣習に従って、新作の制作工程のことを書 […]
  • 三連休 新作最初の窯入れ 三連休最終日になりました。今日は残暑が戻ってきて、工房内は蒸し暑くなりました。昨日作っておいたタタラを使って、2つ目の塔を形成する陶彫部品の2個目に取り掛かりました。陶彫部品のトータルは8個目になり […]
  • 週末 新作修整&最新作陶彫成形 […]

Comments are closed.