芳醇なワインの視覚表現
2015年 1月 9日 金曜日
家内の従兄弟が山梨県でワインの会社を経営しています。この春に「旭洋酒有限会社」製造による新しく販売されるワインがあります。先日山梨県まで出かけていって地下倉庫に眠るワインを見てきました。この壜に貼られるラベルを現在考案しているところです。会社から与えられたテーマは「冬眠」。地中で安らかに眠る動物たち、静かに春を待つ木々を墨刷木版画でやろうと思っています。当初は文明開化の木版画家川上澄生の世界が浮かんでいましたが、もう少し西欧的アールヌーボーを意識して、瀟洒なデザインにしようと思っています。まず鉛筆下書きが出来たので、会社にメールで送りました。まだ雑駁すぎて判断できないかもしれませんが、大雑把なイメージとして捉えてもらえればと思います。抜本的なやり直しは、この下書き段階なら可能なので、意見を伺ってから彫り始めます。木版画の制作は久しぶりです。気分は学生時代に遡りますが、当時やっていたドイツ表現派を意識した重々しい版画はやるつもりはありません。あくまでも芳醇なワインをアピールする視覚表現でありたいと願うばかりです。
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Tags: イメージ, 版画
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