「詩を書くということ」

「存在と時間 Ⅱ」を読み終えたところで、難解な哲学書から少々離れて休憩を取りたくなりました。サクっと読めて興味関心のある書籍はないものかと書店を探すうちに「詩を書くということ-日常と宇宙と-」(谷川俊太郎著 PHP研究所)を見つけました。これはNHK番組収録によるインタビューをまとめたもので、大変わかりやすいため、これなら哲学書から開放されて、頭をリセットできると思いました。「詩というのは、散文と違って、意味だけを伝えるものではなくて、音の響きとかイメージとか、いろんなもので言葉ってものを伝えていくわけです。だから、無意味であるものを詩に書くことで、逆にその意味以前の世界の触感、手触り…存在そのもののリアリティみたいな、なんか言葉にどうしてもできないものを感じさせる、っていうのが、詩の役目のひとつとしてあるんじゃないかっていうふうに思っています。」というのが詩人谷川俊太郎氏が語るところですが、自分が高校時代から興味を持った詩が、どんなもので、どんな役目があるのかが、この台詞によって確認できました。自分は現代詩が好きで、いろいろ詩集を紐解くうちに自分でも詩作を試みましたが、気に入らないものばかりです。それでも詩のイメージに触発されて、たとえばその世界を造形してみようとか、色彩に置き換えてみようとしたことは今まで結構あります。今はRECORDにして発露し、併せてコトバにしています。そのコトバを詩と称していないところに自分は気恥ずかしさがあって、コトバを介しない造形美術に身を置く所以と思っています。

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