「存在と時間 Ⅱ」に再び挑む

「アーレントとハイデガー」(エルジビェータ・エティンガー著 大島かおり訳 みすず書房)を読み終えた翌日から「存在と時間 Ⅱ」(マルティン・ハイデガー著 原佑・渡邊二郎訳 中央公論新社)に再び挑んでいます。「存在と時間 Ⅱ」を読んでいると著者本人の私生活と、思索を深めた学問は別と考えた方がよさそうだという考えが私には浮かびます。原稿下書きやメモに立ち向かう著者の心境は、すっかり形而上的な思索にはまっているのではないかと察するからです。ただ、精神バランスを崩すと、その程度にも拠りますが、常軌を逸した集中力が生まれ、結果として素晴らしい作品が誕生するということもあります。蓮っ葉な考えですが、とくに恋愛に溺れているときは自分の経験で言えば大いにあると思っています。ハイデガーがどうだったのかはよくわかりませんが、「存在と時間 Ⅱ」を再び読みはじめてみて、相変わらず理論の難解さが続き、それを読み解く力が試されているような気がします。何故こんな難しい言い回しをしなければならないのか、ドイツ語の厳密さをそのまま受け取れば納得もいきますが、やはり恋愛で常軌を逸していたのかなぁと思ってしまいます。単なる想像に過ぎませんが…。

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