アンコール遺跡群 その2

今日は内容の濃い一日になりました。現地ガイドの機転で観光客で混む前の城壁都市アンコール・トムを見学することになり、朝8時にはホテルを出ました。アンコール・トムとは大きな都という意味で南大門、北門、勝利の門、死者の門、西門に囲まれて、中央にはバイヨン寺院が位置しています。南大門に到着したときに眼についたのは観光用移動手段の象でした。南大門に架かる橋には野猿がいました。ここの建造物には四方に尊顔が彫り込まれていることが特徴で、中央にあるバイヨン寺院には16体ある塔堂のうちのひとつにクメールの微笑と称する尊顔があり、多くの観光客が写真を撮っていました。尊顔にはデーヴァ型である男性、デヴァダー型である女性、アスラ型である悪魔があるようで、注意深く見ていくと楽しめると思いました。バイヨン寺院で印象的だったのは、回廊一面に広がる浮き彫りの見事さでした。これは庶民の生活を表現したものだそうで、戦争を初め日常生活に関することを一つひとつ見ていくと幾ら時間があっても足りません。魚や動物、樹木の象徴化が面白くて、創作欲が刺激されました。その後はバプーオン、ピミアナカス、ライ王のテラス、象のテラスを見て回りました。バプーオンはシバを祀る寺院、ピミアナカスは三層ピラミット型寺院、ライ王のテラスではライ病患者であった王に纏わるもので、とくに印象的だったのは曲がりくねった二重の壁にびっしり浮き彫りされた神々でした。ホテルのあるシェリムアップに戻って飲茶で昼食をとり、午後は水上生活を見にトンレサップ湖に出かけました。トンレサップ湖は琵琶湖の16倍で瓢箪型をしていて、クメール語で淡水湖と川という意味だそうです。雨季と乾季で水位が違い、ベトナム付近のメコン川からの逆流もあるようです。水上に浮かぶ家々は町を形作り、小学校やデパートもありました。午後3時になって漸く世界遺産のアンコールワットに出かけました。昨日は夜明け前に見ていたアンコールワットでしたが、内部に入ると浮き彫りの細かさ、雄大さに眼を奪われました。バイヨン寺院の浮き彫りと異なるのはアンコールワットは全て神話がテーマになっているところです。多くのデヴァダー(女神)にも出会いました。浮き彫りが光っていた箇所は拓本にとられ、土産品として大量に売られたのだそうで、知り合いもそんな土産品を持っていたなぁと思い出しました。アンコールワットを堪能した後、ココナッツ椰子に穴を空けてストローを挿した生ジュースを飲みました。生水が飲めないカンボジアでとても潤ったひと時でした。伝統芸能の影絵を見ながら夕食をとりました。コメディだったのに言葉がわからず笑うことが出来ませんでした。夜はナイトバザールに繰り出しました。値切る面白さを堪能しながら過ごしました。影絵に使う原型を家内が粘りに粘って半分近くまで値切ったのが収穫でした。

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