サンティアゴ巡礼路からのメッセージ
2014年 6月 12日 木曜日
彫刻家池田宗弘先生は自分の大学時代の恩師です。先生は30年前にスペインに滞在され、サンティアゴ巡礼路を歩かれました。ちょうど自分がウィーンに滞在中の頃で、自己表現を求めていたものの確固たる指標も持てず、街を彷徨いていた自分に比べると、池田先生はロマネスク彫刻の研究として、サンティアゴ巡礼路に点在する教会の彫刻を丹念にスケッチされて、まとまったカタチで文化庁やスペイン政府に提示されていました。現在、東京六本木にあるスペイン大使館で「サンティアゴ巡礼路からのメッセージ」という副題のついた池田先生の作品展が開催されています。日本スペイン交流400周年記念事業の一環として展覧会が実現したようです。真鍮直付けの独特な風景彫刻や夥しい数に上るスケッチや木版画が展示されていました。自分はキリスト教をテーマにした木版画の様式化された美しさに改めて感銘を受けました。
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Tags: ウィーン, カタチ, スケッチ, 展覧会, 彫刻, 版画
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