「鞄に入れた本の話」読後感

「鞄に入れた本の話」(酒井忠康著 みすず書房)を読み終えました。最近3冊(「言語都市ベルリン」「変身」「鞄に入れた本の話」)を持ち歩いていたので、やっと鞄が軽くなりました。本書は世田谷美術館館長であり美術評論家である著者が、専門性を生かした分野で感銘を受けたり、作家や評論家仲間の交流を通して読み込んだ書籍の数々を紹介するものです。本書には自分が既読したものも含まれていましたが、これから読みたいものも多く、自分にとって有り難い一冊と言えます。ただ、絶版になっているか、書店から撤収されている書籍もあって、自分のような美術書愛読者が片隅に追いやられている感覚を強く持ちます。悲しいかな、美術を愛するものは少数派なのでしょうか。自分も鞄に本を入れて持ち歩いているので、著者に親近感を持ちつつ、著者の博識で卓越した書論に驚いています。

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