「ツァラトストラかく語りき」永劫回帰の箇所

先に解説書を読んで、永劫(永遠)回帰がどんなものかを予め把握した上で、本著である「ツァラトストラかく語りき」(ニーチェ著 竹山道雄訳 新潮社)の中から、永劫(永遠)回帰が述べられている箇所を見つけ出しました。詩的な表現から理論を読み取る難解さがあって、次の文面が永劫(永遠)回帰のことを述べたものかどうかは、本著にある解説から判断しました。ニーチェの文面からの引用です。「世界は神々の自己よりの永遠の飛翔であり、しかも自己への探索であり、神々の幸ある自己矛盾であり、また、神々がふたたび自己を聴き・ふたたび自己に属するものである、と思われた。かくて、世界は釈き放たれ、奔放に舞いながら、おのれの本然に翔り還る、と思われた。~略~一切の時間は瞬間に対する幸ある哄笑と思われた。」この文面に対する訳者竹山道雄による解説が次の文面です。「世界は生命力が自己をさまざまな形に示現しながら、ふたたび自己へ還りきたるものである。存在・精神は無限に変化し転形し矛盾しながら、ふたたび同一の形にかえって永遠に回帰する。すべての瞬間は永劫に回帰するから、瞬間を瞬間として考えるは、おろかしい事である。」

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