「ツァラトゥストラ 」解説書の読後感
2014年 4月 3日 木曜日
「ツァラトゥストラ」(西研著 NHK出版)はとっくに読み終わっていました。購入して2日間で読んでしまいました。「ツァラトゥストラかく語りき」の平易な解説書ですが、読んでおいて本当に良かったと思っています。哲学者ニーチェが何を伝えたかったのか、現代日本の中でニーチェをどのように読み解くかが解り易く書かれていて、自分がニーチェに何となく惹かれる理由がここにあったとしっかり自覚できました。本文の中で永劫(永遠)回帰をこんなふうに取り上げています。「ニーチェはのちに残した断片の中で、『永遠回帰の思想はニヒリズムを徹底する』という意味のことを記しています。私たちはふだん、どんな悪いことがあっても未来にはそれを克服できると考えています。しかし永遠回帰は『過去の最悪のことすべてがそのまま蘇ってくる。だからおまえは過去を否定することなどできない』と突きつけてくる。これは最悪のニヒリズム、つまり『何をやったって無駄だ』という思いを引き起こしかねない。そんな永遠回帰の思想を受け入れることなど、はたしてできるのでしょうか?~略~それは『人生のなかで一度でもほんとうに素晴らしいことがあって、心から生きていてよかったと思えるならば、もろもろの苦悩も引き連れてこの人生を何度でも繰り返すことを欲しうるだろう』というものです。~略~ちなみにジンメルは、『何か行為するさいに、それを永遠に繰り返してもよいかどうか、そのつど自分に問え』という仕方で、永遠回帰を捉えました。」本書の解説によれば、これが永劫(永遠)回帰の思想で、その解り易さに感心しました。本書は既に読み終えましたが、文中に気になる箇所も多く、現代に置き換えて提言しているので、それは後日NOTE(ブログ)に書いていきたいと思います。