師事と私淑について
2013年 12月 30日 月曜日
自分が彫刻家として活動を始めるに至った経緯を振り返って見ると、数人の彫刻家の存在を忘れるわけにはいきません。大学に入って実際に指導を仰いだのが池田宗弘先生で、今も長野県の住居兼工房に伺っています。精神的にも技能的にも手を取って指導していただき、絆としては一番深いものがあります。学生時代、池田先生の個展を手伝い、それが縁になってギャラリーせいほうでの自分の個展開催が実現したと言っても過言ではありません。精神的な師匠としては故中島修さんです。自分の滞欧中の憧れであり、オーバーエスタライヒ州のお住いにお伺いした際、幾度となく助言をしていただきました。同じギャラリーせいほうで個展をやれることを喜んでいた最中に帰らぬ人となりました。海外では助言をいただいたK・プランテル、F・フンデルトワッサー諸氏がいますが、師事というより私淑に近いかなぁと思っています。私淑では大学時代に共通彫塑研究室にいた保田春彦先生と若林奮先生がいます。人体塑造から抽象に展開した自分の作品を鑑みると、私淑していた保田先生や若林先生の作品に自分が近づいていると思っています。当時の自分は人体塑造の取り組みに精一杯で、抽象に向かうコンセプトが構築されておらず、漠然と2人の抽象作品に魅了されていたと考えています。あるいは自分の抽象に向かう契機はこんなところに隠れていたのかもしれません。今年の暮れに故若林先生が個展を開催され、保田先生が書籍を発行されました。私淑した2人にさらに近づけた気がしました。
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Tags: ウィーン, ギャラリー, 彫刻
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