ターナーの豊潤な空気感

先日、東京都美術館で開催されている「ターナー展」に行ってきました。家内は学生時代からターナーのファンで、帆船を描いた絵画を大学に提出する課題に応用していたようです。家内は大学で空間演出デザインを学んでいて、舞台美術を考える際、ターナーの求めた光陰が常に頭にあったと言っていました。私はリード著「芸術の意味」によってターナーを知りました。私の場合は初めに知識ありきで、オリジナルを見たのはずっと後でした。今回ターナーの世界に触れ、筆致が豊潤な空気感を表して余りある表現に圧倒されました。色彩実験と称する作品にも表現しようとする何かの意図が読み取れました。絵画の絵画たる所以は、平面に深遠なる奥行きを感じさせ、また漂う空気は写真や影像とは異なる印象を鑑賞者に齎すものと理解しました。私は忽ちターナーの世界に入り込み、そこで新鮮な酸素を胸いっぱいに吸い込んで、光に包まれる息吹きを感じ取っていました。家内は涙が出そうなほど感動していて、ターナーが醸し出す表現を、自分の演奏活動に当て嵌めて、その情感表出の丁寧さを感じ取っていました。有名な巨匠のまとまった展覧会とあって、多少の混雑は覚悟して来ましたが、それでも優れたものとの出会いは何事にも代えがたいと感じました。

関連する投稿

  • 虎ノ門の「近代日本画の華」展 東京港区虎ノ門にある大倉集古館へこの歳になって初めて足を踏み入れました。若い頃から美術館巡りをしているにも関わらず、大倉集古館には行かなかったのが不思議なくらいです。調べてみると大倉集古館は日本で最 […]
  • 週末 陶彫成形準備&茅ヶ崎散策 やっと週末になりました。8月最後の週末は相変わらず気温が高く、工房にずっと篭るのは辛いかなぁと思いました。そこで朝7時に工房に行き、明日の陶彫成形のためにタタラを数枚用意し、2時間程度で工房を後にし […]
  • 美術館を巡った日 今日は用事があって職場から年休をいただきました。用事はすぐ終わってしまい、残りの時間を横浜や東京の美術館巡りに充てました。ウィークディに展覧会を見に行く機会がなかなかなかったので、今日はラッキーな一 […]
  • 週末 久しぶりに東京の美術館に… 大学の先輩で銅版画をやっている人が、東京銀座で個展をやっています。その人の娘さんが漆工芸をやっていて、彼女も東京銀座の別の画廊で個展をやっています。親子とも同じ時期に個展を開催しているので、週末を利 […]
  • 週末 陶彫制作&横浜の展覧会 週末になりましたが、昨日まで夏季休暇を取っていて、休暇中から陶彫制作を継続してやっています。今日も身体がおかしくなりそうなほど気温が上がり、この体感は体温に近づいていると思いました。工房は野外とほと […]

Comments are closed.