「モローとルオー」展の雑感

先日、東京汐留ミュージアムで開催中の「モローとルオー」の展覧会に行ってきました。フランスの画家ギュスターヴ・モローは、自分がオーストリアにいた頃に知った画家でした。もうかれこれ30年前になりますが、私は80年から85年までウィーンの美術アカデミーに在学していました。ウィーン幻想派と呼ばれる画家が活躍していた時代で、その幻想派の描く世界とモローの世界が類似していたことがあって、初めは親近感をもちましたが、煌めく装飾性に西欧のキリスト教文化や神話を見て取って、自分の体質と違うものを感じていました。モローは19世紀末に活躍した画家です。当時流行っていた印象派とは異なる世界観をもっていました。パリの国立美術学校の教壇に立っていた時に、弟子となるジョルジュ・ルオーと出会い、関係を深めていきます。ルオーは20世紀を代表する宗教画家になりましたが、モローの精神を受け継ぎました。モローに師事していた頃の初期の絵画から、ルオーは主題に対する生真面目な姿勢を貫いていたことは、今回の展覧会で知ることができました。そうした宗教と絵画に対する敬虔な気持ちが絵画の精神性を高め、ルオー独特の朴訥な中に深遠なる雰囲気を漂わす世界が出来上がってきたのだろうと自分は考えています。

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