前期式枯山水と後期式枯山水

日本庭園を鑑賞する時、自分は全ての枯山水を同一視していましたが、「枯山水」(重森三鈴著 中央公論新社)を読んでいるうちに枯山水の歴史に触れ、時代とともに枯山水の形式が移り変わってきたことを知りました。前期式枯山水は平安時代、後期式枯山水は鎌倉時代から室町時代に至っており、自分の美意識に刺激を与える枯山水は室町時代末期に作庭されたものが多いことに気付かされました。本書の文中では「前期式枯山水は~略~池や遺水に直接関係のない石組本位の庭が指されていて、いわば独立した庭園ではなく、まだ池泉庭園や、遺水の庭園が全盛を極めていた時代において~略~(池泉に直接関係のない場所に)築山などが軽く作られた場合」のことを前期式と定義しています。「石庭に興味がもたれ、それが墨画としての山水画に影響され、又はそれが禅宗教義にも、武家好みにも投じるところから、水を全然用いない庭園が出現し、石を主題として、これに白砂などを敷き詰め、枯れた庭という意味から、白砂を水に見立てて、仮の庭とする結果」が後期式となります。有名な竜安寺石庭は後期式枯山水という訳で、模擬風景を創作したところに、現代における場の彫刻や空間造形に通じる概念があるとも考えられます。自分の亡父が造園を生業にしていただけに庭園に関する興味は尽きません。

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