「豊饒の神・境の神」を読み始める

「豊饒の神・境の神 九州の土俗面考【2】」(高見乾司著 海鳥社)を読み始めました。昨日まで読んでいた「火の神・山の神」の続編で、本書は「火の神・山の神」に提示された課題の補充を試みたものと思われます。目次には「猿田彦」に関する著述が多く、謎の仮面である「猿田彦」の分析解明に迫るところが予見され、今後の読書が楽しみです。ただ、自分は九州に行った時に見た他愛のない観光用神楽の印象しかなく、実際に村々で催される古い祭礼の雰囲気を味わったことがないので、著者の行動記録を読み解いて想像するしか方法がありません。私が生まれた頃の横浜も、周囲に田畑が広がり、近隣にある神社で五穀豊穣を祈る祭礼がありましたが、それも幽かな記憶の中でしか印象を留めていません。日本人の原風景とも言うべき農耕文化を改めて考える機会として、本書を読んでいきたいと思います。

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