架空の工房に遊ぶ
2013年 2月 20日 水曜日
植木畑の中に建つ相原工房は、制作途中の作品がかなりの空間を占めて所狭しと置いてあります。これは現実の工房の状況ですが、自分が寝床に就く時に気儘に思い描く架空の工房があります。そこは相原工房よりずっと狭く、まだ学生生活を送っている若かりし頃の自分がいます。もう一度人生をやり直せたらどうするだろうと考えていたことが夢に登場したのでした。ずっと以前は半地下になった住居兼工房が夢に出てきましたが、それはウィーンに住む邦人彫刻家宅がイメージの源泉になっていました。最近出てくる架空の工房は、大きなビルの1階部分にあります。高層マンションの1階駐車場の片隅にある工房という按配です。工房には住居部分がありますが、そこはあまり定かではなく、壁一面に格子状の棚があって、習作雛型がたくさん並んでいるのです。学生時代にもっと試行錯誤して雛型を多く作るべきだったと後悔している自分が投影されているように思えます。素材も紙、石膏、鉄があって、抽象的な形態も数多く屑鉄で人体を作った作品もありました。これは師匠である池田宗弘先生の真鍮直付けの影響があるのかもしれません。学生時代に金属がやれたらよかったと思っているところもあるので、架空の工房では鉄に対する憧れにも似た気持ちが出ているのでしょう。高層マンションのイメージの出所は、今の職場から銀行に会計処理で出かける時に見えるマンションの景色がそのまま夢に出ているのです。1階の工房は完全な自分の創作です。その夢に人は出てきません。他者と関わりのない自己表現世界があるだけです。
関連する投稿
- 週末 シュトレン郵送&陶彫制作 先日、友人のパティシエが営む菓子店から大量のシュトレンをいただいてきました。西欧に滞在経験のある人なら、味が懐かしいと思うシュトレンですが、最近は日本のベーカリーでもシュトレンを売り出しています。私 […]
- 春分の日 制作再開&映画鑑賞 今日は春分の日で、勤務を要さない休日になります。陶彫の焼成失敗がありましたが、気を取り直して今日から制作を再開しました。午前中はタタラを数枚用意しました。陶土を掌で叩いていると気持ちが安定してきます […]
- 週末 地域会議&映画鑑賞 週末になり、個展のために搬入の準備している最中ですが、職場の地域が座談会形式の会議を計画していたため、今日はこれに出席してきました。公務員と彫刻家との二足の草鞋生活では、こうしたことで時間のやり繰り […]
- 週末 彫り込み加飾の一日 朝から工房に篭りました。今日は中国籍のスタッフが工房にやってきました。たった一人で作業するのと、誰かがいる場合では、作業の雰囲気が変わります。休憩を取った時に喋る相手がいるのはいいなぁと感じます。彼 […]
- 週末 制作&シュトレン購入 週末になると、陶彫制作のみに終わらず、何かの用事を一緒に済ませています。今日は映画館や美術館ではなく、知り合いのパティシエの店に足を運びました。用事があっても制作工程は変わらずにやっているので、朝か […]
Tags: ウィーン, 工房
The entry '架空の工房に遊ぶ' was posted
on 2月 20th, 2013
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.