陰影で表現する作品について

造形作家の故福田繁雄の作品に食器を束ねたオブジェがあります。そこに光を当てるとオブジェの陰影がバイクになるという作品で、だまし絵としての面白さで群を抜いています。タイトルは「ランチはヘルメットをかぶって…」(1987年作)。立体は光をあてると影ができ、それを計算して陰影で見せることに意外性を齎せてくれます。計算するまではいかないにしても自作の「構築~包囲~」と「構築~解放~」はテーブル彫刻として、床に落ちる陰影を展示の演出効果にしました。その時は陰影を造形の一部にする意図はありませんでしたが、今後は陰影を造形要素に取り入れてみたいと思っています。アレキサンダー・カルダーのモビールは浮遊するカタチの陰影が面白かったり、また身近な存在では師匠の池田宗弘のサーカス・シリーズは、細い針金状の造形に細い人体が絡まる作品なので、陰影が大変美しいのです。立体であればこそ楽しめる要素です。デジタル画像に残しても面白いのではないかと思います。うつろいゆく陰影と実材で構築した立体造形。その相反する要素が面白さを醸し出す陰影で表現する作品に、自分には興味関心があるのです。

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