西洋の没落「国家」そのⅠ

「西洋の没落」(O.シュペングラー著 村松正俊訳 五月書房)の第二巻を読んでいます。第4章「国家」に入り、そのⅠとした副題は「身分の問題-貴族身分と僧侶身分と」です。前章の民族や宗教に関する論述では、自分は些か苦手とする分野があって理解に苦しみましたが、第4章は意外にすんなり這入りこめています。著者の得意とする比較形態学に慣れてきたせいかもしれません。「僧侶を囲んでいるものは自然としての世界である。僧侶はその像を熟考してもってこの像を深化する。貴族は歴史としての世界に生活する。そうしてこの像を変え、これを深化する。両者はともに発展して大きな伝統となるが、一つは教養の結果であり、他は訓育の結果である。」「貴族身分と僧侶階級とは最初には自由な土地から成長し、そうして現存在と覚醒存在、また時間と空間という純然たる象徴的意義を表わすのである。ついで略奪と研究という側面から都市的後期時代において経済と科学との姿を優位におく低位の象徴的意義から成る二重の型が発展してくる。この二個の存在の流れにおいては運命と因果関係とに関する理念が容赦するところなく、また伝統に抗して極度にまで考えつめられる。ここに生ずる権力は、不倶戴天の敵意によって英雄主義と神聖という身分理想から分離されたものであって、すなわち貨幣と知性とである。」今回は自分にとって貴族・僧侶双方の身分比較がわかりやすかったため時間をかけずに読むことができました。

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