西洋の没落「アラビヤ文化の諸問題」そのⅢ

「西洋の没落」(O.シュペングラー著 村松正俊訳 五月書房)の第二巻を読んでいます。そのⅢとした副題は「ピュタゴラス、モハメッド、クロムウエル」です。「このマリアと悪魔との二つの世界は、その伝説、その芸術、そのスコラ哲学、また神秘主義を持っている。悪魔もまた奇蹟をおこなうことができる。ほかのどんな初期宗教にも現われていないものは象徴的な色彩である。マドンナの色は白と青とで、悪魔の色は黒、硫黄色、赤である。聖者と天使とは大気のなかに浮かんでいるが、悪魔はピョンピョン跳び魔女は夜ザワザワと音を立てて歩く。ここで初めて光りと夜と愛と怖れとの二つがいっしょになって、この描き出すことのできないような内在性でもって、ゴシック芸術を満たすのである。これは『芸術的』な想像ではまったくない。人は誰でも世界が天使と悪魔との群れで一杯になっていることを知っていた。」「イスラームは自己の下に土地を持っている。イスラームはペルシャ、ユダヤ、ネストリウス(景教)、一性論的なコンセンススをまったくといっていいほど自己の下に持っている。今日のギリシャ人もいっしょに自己の土地の上に座しているのと同様にビサンチウムの国民がそこに座している。~略~けれどもユダヤ人のコンセンススの西ヨーロッパ・アメリカ的な部分は自己の運命に結びついており、若い文明のなかにいる。数百年もゲットーのなかに閉じこめられていて、救われてきていたのだ。そのために、ゲットー生活は分裂して完全に崩壊してしまった。けれどもそれはファウスト的な文化の内部のことではなく、マギ的な文化の内部のことなのである。」この2箇所を書き出してみましたが、自分にとってはなかなか難しいところです。最近になってシュペングラー独特な論理展開には慣れてきましたが、いわゆる通常の歴史専門書と異なる視点が多く見られると感じます。

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