西洋の没落「起源と土地と」そのⅢ

「西洋の没落」(O.シュペングラー著 村松正俊訳 五月書房)の第二巻を読んでいます。「起源と土地と」そのⅢとした副題は「諸文化の関係」です。ここでは法律史に多くの紙面が割かれており、法律思想が政治的、経済的利害に関係を持ち、それぞれの地域や時代の求めに応じた概念としての歴史が描かれています。時に神託として、また市民創作の産物として受容され、法律学は永遠の根本概念を仰いでいる唯一の科学として論じられています。文面を引用いたします。「根本動機としてわれわれの法律史のなかを一貫しているものは、書物と生活との戦いである。西洋の書物は神託でもなく、魔術的な秘密な意味ある魔法の文句でもなく、一片の圧縮された歴史である。それは未来であろうと欲し、しかもわれわれ読者のうちにその内容を復活させ、そのわれわれによって未来であろうと欲する圧縮された過去である。」「全法律思想を高等物理学および数学の類推によって転換することは、未来の要求となる。社会的、経済的、技術的生活の全体は、ついにこの意義において理解せられるのを待ちつつある。われわれはこの目標に到達するためには、1世紀以上も非常に明敏な、非常に深い思考を必要とする。そうしてそのために必要なものは全然異種の法学者の準備教育である。その要求するところは、1.現代の経済生活における直接な、広いそうして実際的な経験。2.ドイツ法イギリス法およびロマン法の発達をたえず比較した上においての西洋の法律史の正確な知識。3.今日有効な概念の模範としてではなくいかに法律が時代の実際的生活から純粋に発展するかということの輝かしい実例としてのギリシャ・ローマ法の知識。」

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