内容と技巧の関係

作品を鑑賞する上で、この作品はどんな主題や主張をもつのか、何を訴えたいのかをまず考えます。同時に技巧も視覚に飛び込んできます。作品の内容とそれを具現化する技巧とは切り離せない関係があります。まだ、自分が彫塑で習作をやっていた頃は、立体としてのデッサンが覚束なく一刻も早く巧くなりたいと願っていました。技巧がある程度のレベルになると、獲得した技巧で何かを表現したくなりました。そうするとワザとらしさが出て、どうにも鑑賞に堪えられない作品になってしまいました。むしろ稚拙な技巧に翻弄されていた時期の作品の方が、深い内容をもっていたことにショックを受けました。表現とは何かをその時初めて考えました。ピカソを初めとする巨匠が破壊と創造を繰り返していた理由はここにあります。自分も技巧に溺れないように、思索を深めつつ制作をやっていきたいと思っています。

関連する投稿

  • 彫刻家飯田善國によるピカソ評 7月27日付の朝日新聞「折々のことば」欄に、彫刻家飯田善國によるピカソ評が掲載されていて、目に留まりました。「十歳で どんな大人より上手に 描けた 子供の ように描けるまで一生 […]
  • 三連休 香川県高松へ 三連休の初日です。今日から家内と1泊2日で香川県高松へアートに触れる旅行に出かけることになりました。羽田空港発9時25分、ほぼ1時間程度で高松空港に到着しました。リムジンバスに乗ること40分、高松市 […]
  • 2017年HP&NOTE総括 2017年の大晦日を迎えました。毎年恒例になっている総括を行います。まず彫刻では7月に12回目の個展をギャラリーせいほうで開催させていただきました。大きな作品では「発掘~宙景~」と「発掘~座景~」を […]
  • アトリエの再現 芸術家が作品を生み出す場所や周囲の環境に覗き見的な興味を私は持っています。学生の頃も大学の一角を使って、彫刻科の先生方が真摯に制作されている現場を垣間見て、自分の意欲を高めたりしていました。東村山市 […]
  • 映画「創造と神秘のサグラダ・ファミリア」について 私が家内とスペインのバルセロナを訪れたのは1981年だったと記憶しています。当時ウィーン国立美術アカデミーに籍があった私たちは、その夏にユーレイルパスを使って南欧に旅立ったのでした。目指したのはポル […]

Comments are closed.