日本画家の孤高のコトバ

現在「西洋の没落」(O.シュペングラー著 村松正俊訳 五月書房)という人文・自然科学全般に亘る広義な洞察を下敷きにした「世界史」という哲学をとつおいつ読み砕いています。最近はずっとこんな論理に囲まれているので、単純で感覚的なコトバに出会うとハッとすることがあります。書店で何気なく手に取った本に、胸のわだかまりがとれたような内容があって思わず購入してしまいました。これは僅かな時間でサクッと読める本ですが、凛とした勇気がもらえます。「堀文子の言葉 ひとりで生きる」(求龍堂)は、90歳を過ぎた女流日本画家が書いた散文のような詩のようなコトバが連ねてあります。「群れない、慣れない、頼らない、これが私のモットーです。」「刻々と失われていく心身のエネルギーの目減りを防ぐのは、自分自身の力でしかできないことだ。人の助けで埋められるような生やさしいものではない。」「泥水をかきまわし、その混沌のなかから顔を出すようにしていつも私の絵は生まれてきた。人は必ずその絵の意図や説明を聞きたがるが、『こうなってしまった』と答えるしかない。私の作品には意図も主張もない。」等々。「西洋の没落」読書中のちょっと寄り道で、コーヒータイムといったところです。

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