松島図屏風
2012年 5月 17日 木曜日
東京上野で開催されている「日本美術の至宝」展を見て、尾形光琳の「松島図屏風」に注目しました。尾形光琳の代表作は熱海のMOA美術館にある有名な「紅白梅図屏風」です。自分は何度となく「紅白梅図屏風」を見て、画面中央にある川の流紋に現代的な意匠を感じて、ひと目で気に入りました。19世紀末オーストリアの画家G・クリムトの装飾に似ていると感じました。今回「日本美術の至宝」展に出品されている「松島図屏風」は、図録によると本画は光琳が傾倒した俵屋宗達の「松島図屏風」に倣ったもののようですが、波の動きが一層ダイナミックになっていると解説されています。まさにそのダイナミズムが自分の印象に残ったのです。まるで現代絵画のようで、他の出品作とは雰囲気が異なります。光琳は江戸時代の意匠家、つまりデザイナーであったわけですが、本画にはそうした光琳の面目躍如とした表現があって、大胆な構図や思い切ったデフォルムが生き生きとしていました。
関連する投稿
- 暁斎流の「鳥獣戯画」について 先日、閉幕してしまった「河鍋暁斎の底力」展で、私が気になった数多くの下絵の中から、展覧会のポスターにもなっている作品を取り上げます。ポスターは「鳥獣戯画 猫又と狸 […]
- 美術館を巡った日 今日は用事があって職場から年休をいただきました。用事はすぐ終わってしまい、残りの時間を横浜や東京の美術館巡りに充てました。ウィークディに展覧会を見に行く機会がなかなかなかったので、今日はラッキーな一 […]
- 虎ノ門の「近代日本画の華」展 東京港区虎ノ門にある大倉集古館へこの歳になって初めて足を踏み入れました。若い頃から美術館巡りをしているにも関わらず、大倉集古館には行かなかったのが不思議なくらいです。調べてみると大倉集古館は日本で最 […]
- 週末 六本木・銀座・上野を渡り歩く 今日は東京の博物館、美術館、画廊を回ろうと決めていました。後輩の彫刻家が二科展出品、同僚の画家がグループ展参加、その他見たい展覧会があって、二科展とグループ展の日程が合うのが今日しかなかったのでした […]
- 上野の「ゴッホ展」 昨日、東京上野の上野の森美術館で開催されている「ゴッホ展」に行ってきました。日曜日の午後で、しかも人気のある画家だったためか会場内は大変混雑していて、私は鑑賞者の間隙を縫ってゴッホを始めとするハーグ […]
Tags: 作品, 展覧会, 画家
The entry '松島図屏風' was posted
on 5月 17th, 2012
and last modified on 5月 17th, 2012 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.