松島図屏風

東京上野で開催されている「日本美術の至宝」展を見て、尾形光琳の「松島図屏風」に注目しました。尾形光琳の代表作は熱海のMOA美術館にある有名な「紅白梅図屏風」です。自分は何度となく「紅白梅図屏風」を見て、画面中央にある川の流紋に現代的な意匠を感じて、ひと目で気に入りました。19世紀末オーストリアの画家G・クリムトの装飾に似ていると感じました。今回「日本美術の至宝」展に出品されている「松島図屏風」は、図録によると本画は光琳が傾倒した俵屋宗達の「松島図屏風」に倣ったもののようですが、波の動きが一層ダイナミックになっていると解説されています。まさにそのダイナミズムが自分の印象に残ったのです。まるで現代絵画のようで、他の出品作とは雰囲気が異なります。光琳は江戸時代の意匠家、つまりデザイナーであったわけですが、本画にはそうした光琳の面目躍如とした表現があって、大胆な構図や思い切ったデフォルムが生き生きとしていました。

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