フォルムとは何か?

色彩のことを考えているうち学生時代から拘り続けているフォルムについてもボンヤリと考え始めています。色彩感覚に合わせれば形体感覚と言うべきでしょうが、フォルムというコトバが一般的なので今後フォルムというコトバを使います。自分にとってフォルムの認識は外界にある対象物を写し取る作業から始まりました。いわゆる塑造で、そのねらいとするところは表面より内部の構造を把握する学習でした。核となる心棒から粘土をつけて形体を膨らませていき、その量を捉えながらプロポーションのバランスや動きを表現する手法です。最初の塑造では、いかに正確に対象物を捉えることができるかが評価されました。表面処理ばかりに気がいくと、構造があやふやになって立体を成さなくなるという彫刻の基礎基本です。そのうちしっかりした構造をもつ立体は美しいと感じるようになり、やがて立体性を追求する姿勢が芽生えてきました。塑造や彫造という手法から離れて空間を解釈するようになり、そこから現代彫刻の扉を開けることになります。フォルムとスペースは一体化されたものと感じました。それは何もない空間(スペース)に物体(フォルム)を配置することによって空間の質が変わるというものです。そこでの空間体験は人の心理に何らかの影響を与えます。現代彫刻が街に進出し、建築との共存を試行するのはそんな理由によるものです。自分もギャラリーの空間を自己流に解釈する作品を毎年提示しています。フォルムとは何か?まだまだ考えたいテーマですが、自分のことを振り返ってフォルムとの出会いや認識を述べてみました。

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