イメージ源泉の蓄積

昨日のNOTE(ブログ)に西欧の古都に思いを馳せる文章をアップしました。公務員と彫刻家の二束の草鞋生活を定年まで送ろうとしている今の自分にとって憧れは募るばかりです。しかしながら実際にヨーロッパに旅立ってしまうと、そこで気持ちが入り込んでしまい、現在の仕事に戻れなくなるかもしれないと思っています。ヨーロッパ以外なら単純に旅行として扱える気分はあります。ヨーロッパは自分が20代後半を過ごした場所であり、そこで美術的なイメージを培い、感覚を磨いてきたところです。テレビのBS番組で流れるヨーロッパの古都を見ていると、そこの空気や匂いまで甦ってきます。街の人々は微笑を浮かべて日本人を接待してくれましたが、一方で頑固なご老体からあれこれ注意を受けたこともありました。理屈を押し通されて理不尽な目にも会いました。それでも長い歴史の中で保ってきた街の情緒は、どこまでも魅力的です。もう一度、イメージの源泉にあふれた場所に出向いて、自分の心の貯蔵庫にカタチの蓄積をしたいと願っています。今の立場から開放された時に必ず再訪の機会を持つつもりです。

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