日記の公開

20世紀を代表する画家パウル・クレー。今、通勤時間帯に「クレーの日記」を読んでいます。これはクレーのご子息が編者を勤めていることから明らかなようにこれが公開されるとは生前のクレー自身はわかっていなかったと思います。整理好きだったクレーは19歳から日記をつけ始め、あくまでも日記は自分の意思確認としてやっていたので、当然歯に衣着せぬ文章になっています。これが読者には面白いと感じるところです。かなり皮肉屋であり、若い頃は無頼をしたクレーでしたが、イタリア滞在を契機に造形表現に立ち向かい、音楽家としてもオーケストラの演奏活動に参加しています。生前は内面を明かすことが少なかったクレーでしたが、日記が公開され、全世界で読まれることになろうとは努々わからなかったと思います。自分もこうして日記代わりのNOTE(ブログ)を毎日書いていますが、これは公開されることを意識した上でやっているので、他者に対して配慮や考慮をしています。その分つまらないものになっているのは否めないと思います。自分には非公開メモはありません。でも「クレーに日記」を読んでいると、こんなふうに感じたことを感じたまま書いたメモがあってもよさそうなものだという思いに駆られます。

関連する投稿

  • 「田中恭吉 ひそめるもの」読後感 「田中恭吉 ひそめるもの」(和歌山県立近代美術館企画・監修 […]
  • 詩画混在のJ・ミロ 象形文字のように単純化された形態をもつジョアン・ミロの絵画には、日本の前衛書道に共通する余白のセンスがあります。余白は空間であり、そこに平面でありながら立体としての空間を感じるのは私だけでしょうか。 […]
  • クレーの絵本 パウル.クレーという画家は私の頭の中にちょこちょこ顔を出して、造形する心をくすぐってくれたり、気持ちを軽くしてくれます。「クレーの絵本」という小さな本は私の大好きな書物のひとつです。谷川俊太郎の詩が […]
  • 彫刻家飯田善國によるピカソ評 7月27日付の朝日新聞「折々のことば」欄に、彫刻家飯田善國によるピカソ評が掲載されていて、目に留まりました。「十歳で どんな大人より上手に 描けた 子供の ように描けるまで一生 […]
  • 6月RECORDは「浸潤の風景」 「浸潤」というのは、あまりいい意味では使われないコトバです。「肺浸潤」という病名があり、それは結核菌におかされた肺の一部の炎症が広がっていく疾患です。浸潤の単純な意味では次第にしみ込んで広がることを […]

Comments are closed.