ゴッホとゴーギャン

表題は言わずと知れた後期印象派を代表する2人の画家です。自分は中学生の時にゴッホの絵に惹かれ、高校生でゴーギャンの絵が好きになりました。ゴッホの炎のようなタッチが10代前半の自分にとっては解りやすく感受できたのだろうと述懐しています。年齢が上がるにつれゴーギャンの構成的な色面描写に魅せられるようになりました。その頃は絵だけではなく2人の画家の生涯にも関心がありました。ゴッホが発狂して自ら耳を切り落としたエピソードは映画になったほど有名です。「ゴーギャン オヴィリ 一野蛮人の記録」(ゴーギャン著 岡谷公二訳 みすず書房)には、そのエピソードがゴーギャンの目を通して語られています。「私たちの家の入り口に着いて、山高帽の紳士から、おそろしくきびしい口調で、だしぬけに『あなたは、友達に対して何をしたんです?』と言われたとき、私は、こうしたことについて、まるで気付いていなかった。『知りませんよ。』『いや、あなたはよく知っているはずだ。彼は死んだんですよ。』そんな瞬間が、ほかの誰にも訪れないことを私は望む。考えることができ、胸の動悸をしずめることができるようになるには、長い何分かが必要だった。怒りや、憤激や、苦しみや、体中に突き刺さるすべての人々の視線に対する恥ずかしさが、私の息をつまらせた。そしてしどろもどろになりながら言った。『よろしい、上がりましょう、そして上で話し合いましょう。』ヴィンセントは、シーツでしっかり体を包み、ちぢこまって、寝台の上に横たわっていた。死んでいるように見えた。そっと、とてもそっと、私は体にさわった。そのぬくみは、命のあることをあきらかに告げていた。私にとっては、知性と精力とがよみがえってくるような思いだった。」長い引用になりましたが、伝説にもなっている一場面がリアルに自分の脳裏を巡りました。

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