先輩の版画展へ行く

版画家の加藤正さんは大学の先輩で、学生時代よりエッチングやアクアチントの技法を使った銅版画をやっていました。現在、東京渋谷のギャラリーで個展を開催しているので見に行ってきました。加藤さんには会えませんでしたが、長く銅版画に関わっていた作家なので技法的には円熟度が増し、イメージ豊かな世界の数々が自分を迎えてくれました。草や木の根のような植物的な蔓が無数に絡まり、やがて塊となって大地に蔓延り、また世界を分ち、死に絶え、再び蘇生していく加藤ワールドは、小さな要素で壮大な世界を描いているように思えます。象徴的風景画と言うべきか、絡まる蔓はまさに私たち人間の姿かもしれません。加藤さんは私の個展にもフラリと現れて、近況などを話し合ったりする仲です。今後ともお互い健康で変わらぬ制作生活が続けられるようにしたいと願っています。自分は加藤さんの世界観のさらなる展開を見たいと思う一人です。

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