「犯罪少年」を読む

フランスの作家・劇作家のジャン・ジュネの著作を通勤途中に読んでいます。ジュネは若い頃から放浪や犯罪を繰り返し、投獄されていた時期があります。表題の「犯罪少年」は、当時の刑務所暮らしとそこで培った自己価値観を振り返って思索を交えながら描いています。この原稿はフランスのラジオで放映されるものだったらしく、内容が拒まれたので活字として公開したものだと前書きがありました。社会通念やモラルの虚飾を取り除く意図、あるいは意図しないまでもそうしたジュネの感覚は、危ういコトバを孕んでいて、ともすれば犯罪における美辞麗句とも取られかねない表現があります。人間の根源に潜む本当の意味での存在意義や尊厳を求めるために書かれた「犯罪少年」は、ジュネの描写における心理や思索、詩情を読み取り、また理解をしながらじっくり読んでいきたいと思っています。

関連する投稿

  • イサム・ノグチの両親について 先日から「石を聴く」(ヘイデン・ヘレーラ著 北代美和子訳 […]
  • 昭和41年の「千円札裁判」 遅読というより、もう滞読と言ってもいいくらいの読書習慣になってしまった私ですが、「オブジェを持った無産者」(赤瀬川原平著 […]
  • 「瀧口修造の詩的実験1927~1937」 現在、通勤時間帯ではドイツ表現主義の画家アウグスト・マッケに関する書物を読んでいます。自宅の食卓には「瀧口修造の詩的実験1927~1937」(思潮社)がいつも置いてあって、毎晩適当な頁をめくっては何 […]
  • 「芸術の意味」読後感 昔から芸術作品を語る時に自分がよく使っているコトバや論理は、白状すればどこかで得た知識であり、誰かの受け売りであり、何かの書籍によって頭に刷り込まれたものです。読み終えたばかりの「芸術の意味」(ハー […]
  • オブジェの意義 通勤中の電車内でA・ブルトンの「シュルレアリスムと絵画」を、とつおいつ読んでいます。同書にオブジェに纏わる箇所があり、オブジェの意義を考えました。オブジェというコトバがいつ頃から使われだしたのか記憶 […]

Comments are closed.