「アルベルト・ジャコメッティのアトリエ」

昨日NOTE(ブログ)に書いたジャン・ジュネの著作とは、表題の「アルベルト・ジャコメッティのアトリエ」(鵜飼哲 訳 現代企画室)のことです。彫刻家ジャコメッティは、自分が学生時代から興味を寄せている巨匠で、ヘンリー・ムアと対極した表現として自分では捉えています。ジャコメッティは矢内原伊作というモデルを得て作った作品が数々あります。モデルが日本人だったことで大変親近感があります。学者であった矢内原伊作は専門の論文ではなく、ジャコメッティとの交遊録しか自分は読んだことがないのです。今回はジャン・ジュネによるジャコメッティとの交遊録ですが、詩情に溢れる中で展開するジャコメッティ芸術に対する思索には興味を抱きます。読み始めてすぐ思索の部分ではなく、ジャコメッティを描写している部分に面白みを感じました。「彼はほほえむ。すると、彼の顔の皺くちゃの皮膚の全体が笑い始める。妙な具合に。もちろん眼が笑うのだが、額も笑うのである(彼の容姿の全体が、彼のアトリエの灰色をしている)。おそらく共感によってだろう、彼は埃の色になったのだ。彼の歯が笑うー並びの悪い、これもやはり灰色の歯ーその間を、風が通り抜ける。~以下略~」という箇所は、自分が勝手に描いていたジャコメッティのイメージそのもので大変愉快でした。また、今までのように通勤電車の中で時間をかけて読んでいきたいと思います。

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